家族の皆が義父の様子がおかしいと気が付いた時には、すでに病状はかなり進んでいました。いわゆるボケは普通 の病気のようにどこが痛くなるとかいう自覚症状はありません。
初期の頃は、毎日通勤している駅の名前がわからなくなったり、今と昔がごちゃ混ぜになったりです。ただ、こういう行動も毎日続くということではなく、時々起こるのです。ですから、家族にとっては、病気とは、判断しにくいのです。
しかし、だんだん症状が、進んでいくと、喜怒哀楽が激しくなり、プイと家をでて、その辺を徘徊するようになり、家族が、「お金を盗む!」と泥棒呼ばわりする。また、昼と夜が逆転する生活になり、眠りが浅くなりそのため身体が衰弱してきて、食欲もなくなってきてしまいました。最終的には、風邪を悪化させ、病院に、入院することになりましたが、やはり自宅から病院という急激な環境の変化が、本人の病状をより進ませる結果 となり、最後には、身内の認識もできなくなってしまいました。
その後、自宅に戻って、義父は、人生の幕を降ろしたわけですが、家族にとって義父への看護は、十分なものであったのたろうかと思うと、心残りというか、わりきれないものが、心の片すみに、今も残っているのです。 |